2024年1・2月号筆ペン初級課題アドバイス

「鳥のように歌い花のように笑って」

2行書きになりました。必ず下敷きを作ってください。
非常に大切です。

【鳥】5本の横画が出てきます。安定した線が書けるようにして下さい。
4つの点も丁寧に方向・大きさに気をつけて書いて下さい。

【歌】大変難しい偏です。2本の横画の長さ、2つの口の位置・大きさに注意しながら書いて下さい。右端は揃えて、縦画曲がらないように。

【花】草冠と化の位置づけ注意です。
人偏の縦画長くなり過ぎないように。最後の曲がり、ハネる前に少し持ち上げましょう。

【笑】竹冠が大きくなり過ぎないように。左右の払いが最大幅です。7画目の短い左払い、立てすぎないように。

*ひらがなの柔らかい曲線は難しいと思いますが美しく安定した線が書けるようにたくさん書いて下さい。

2024年1・2月号よこ書き級位課題アドバイス

「霧雨のかかる道なり」

【霧】雨冠と務をうまく組み合わせなくてはいけません。務も一つで書く時よりは少し潰しましょう。
務の左払いと右払いをこの文字の最大幅にしましょう。

【雨】隣に画数が多い文字がありますので大きさに悩みました。2,3画目の縦画は内側に。
点も適当に書かず、丁寧に書いて下さい。

【道】首の書き始めをどこにするかいつも悩みます(笑)しんにょうとの距離感も大事です。最初から上手く行くことはありませんので微調整しながら整えましょう。


*今の時代横書きが主流です。が、私は横書きが苦手です。
ですので、この手本を書く事は大変勉強になります。
なんとか横書きに対する苦手意識を無くしたいと思い、昨年の展覧会では横書きの作品を書きました。
まだ苦手意識は無くなりません(笑)
がんばります!

2023年9・10月号筆ペン初級課題アドバイス

「山高きが故に貴からず」
【山】
画数の少ない文字は難しいですね。
左右の余白を均分に、3つの縦画の高さの違い、左右の縦画を内向きに。

【高】
上下に「口」があります。同じ物が2つ並ぶ時、基本的には上より下を大きくして安定感を出す。ということがありますが、今回は下の口はそれほど大きくありません。
なぜでしょうか。
下の口は「冂」の中にあります。大きくしてしまうと周りの余白が少なくなり、美しくありません。
このように文字によって色々な変化がありますので、頭を柔らかくして考えて書くようにしましょう。
(みなさんに言っていると見せかけて、自分に言い聞かせております・・・(笑)私は頭が固いのです・・・。)

【故】
1画目の横画に対して、2画目の縦画の位置右に寄せましょう。口も右に飛び出ないようにし、偏ですので右端は揃えます。旁の左右の払いの位置づけよく見て書いて下さい。

【貴】
縦に長くなりやすい漢字です。長方形の造形ですが、間延びしないよう、最初の「口」は横長に潰し、下の長い横画も詰めて書きましょう。横画は長くしっかりと書いてメリハリを出して下さい。
「貝」部は「目」が細くならないように。最後の「ハ」
は支えになりますので、適当に書かず、しっかりと書いて下さい。

2023年9・10月号よこ書き級位課題アドバイス

「生命ある所希望あり」
【生】
1画目の短い払いの長さ、角度。3本の横画の長さの違いに気をつけて書きましょう。

【命】
ひとやねを書く時に1画目と2画目の起筆の組み合い方を良く観察しましょう。
口は小さめに下が引き締まる形で書き、卩は筆順に注意し、最後の縦画は真っすぐ抜きましょう。

【所】
戸は偏ですので、スマートにし、右上がりに書きましょう。斤の左払いの長さ、角度は「戸」とどのような違いがあるのか考えて下さい。最後の縦画は止めても良いですし、止める気持ちでもokです。

【希】
筆順に注意しましょう。「布」部の左払いは長くなり過ぎないようカーブさせ、横画を長く書きましょう。最後の縦画は払い、止める気持ち、止めが許容になります。

【望】
「亡」を右上がりに「月」は縦画を左に流れるようやや平行に書きます。書きなれない表現ですので、たくさん書いて覚えましょう。「王」の3本の横画の長さ、線の表現を良く観察してください。

2023年7・8月号筆ペン初級課題アドバイス

5・6月号は更新できず申し訳ありませんでした。

「治に居て乱を忘れず」
【治】
さんずいの形の取り方は2画目を左に出して「く」の形になるようにしましょう。
旁の「ム」三角形を意識しますが、1画目折れてから少し右上がりに書き、最後の点しっかり止めましょう。
「口」は2本の縦画は平行ですか?下に広がっていますか?引き締まっていますか?正方形のような記号風にならないように
しましょう。

【居】
難易度高いです。相当悩みました。
垂(今回はしかばね)のように長い左払いがある場合のバランスの取り方が難しいです。どうしても左へ重心が傾くのでどうやって安定させるかが問題です。
中に入る「古」という文字をどこに配置するかが重要です。中心を少し右に移動させ、2画目の横画を右へ張り出させ、左払いとのバランスを取ると良いと思います。

【乱】
偏、右端を揃えましょう。2画目の横画短くならないように左を長めに書きましょう。旁にペン字の「見」で出てきた曲がりがあります。真っすぐ下ろして方向転換する時のペン先の動きを滑らかにしましょう。最後は少し上げてハネます。

【忘】
概形(おおよその形)を台形に仕上げましょう。心を横広にし、上部を支えます。心の2画目のハネ。動かし方が難しいです。何度も練習しましょう。

最後に・・・ひらがなも本当に難しいですね。星野清香先生がひらがなの美しい書き方をYouTubeで解説してくださっています。非常に勉強になりますので是非ご覧になってください。

2023年7・8月号よこ書き級位課題アドバイス


「見ると聞くとは大違い」
【見】
上部「目」部分は余白は均分にしましょう。脚のにんにょうの左払いの角度、右の曲がり部分の書き方角ばりすぎないように気をつけましょう。ハネる前は一呼吸おきましょう。

【聞】
門構え、下が広がるような安定感で「耳」がゆったりと入るよう書いてください。横画が多いです。右上がりの安定感・余白の均分に気をつけて下さい。

【大】
画数の少ない文字の方が難しいですね。
2画目の左払いのカーブのさせかたが難しいと思います。
右払いはゆっくりと運筆し、止めてから払いましょう。
この時に動きが小さくならないようにして下さい。

【違】
筆順を確認してください。
しんにょうの上に乗せる部分は書き出しをどこにするのか非常に迷うと思います。何度も書きながら調整しましょう。しんにょうも形が取りにくいと思います。2画目
に山になる部分が2つあると思いますが、どちらが右に出ているでしょうか。同じではありませんね。しんにょう3画目も下から上に向かい、右下へ下げて行き、一度止めてから右にスッと抜く。この流れを覚えましょう。

2023年3・4月号筆ペン初級課題アドバイス


【弦】
弓へん、上部の二つの空間を均等にしましょう。
点画の「折れ」が多い漢字です。しっかりと止めてから方向を変えましょう。最後の点もナナメにしっかりと筆を置いてから下方向に動かしつつ筆を上げる。点ひとつでも適当に打たないようにしましょう。

【放】
「方」は一つで書いても角度等難しいです。三画目の左払いの角度、長さ。それに対して四画目が平行にならないよう気をつけましょう。
旁のぼくづくり、三画目が二画目のどこから始まっているか、四画目も同様に観察してください。
右払いは焦らずしっかり止めてから払いましょう。
動きが小さくならないようにしましょう。

【矢】
一画目の短い左払い、角度・長さに気をつけて。
四画目の左払いですが、カーブが強くなる場所はどこか考えましょう。また右払いがありますので、しっかりとした右払いが書けるよう研究して下さい。

2023年3・4月号よこ書き級位課題アドバイス


【滴】
さんずいの基本の形を覚えましょう。
点画の置き方は「く」の字で、二画目を左に出します。
一画目と二画目の間の空間と、二画目と三画目の間の空間はどうでしょうか。下の空間の方が広いと思います。
空間の広さの違いも良く観察してください。
旁はけいがまえの中に「古」が入りますのでゆったりとした構えが書けると良いです。

【積】
偏を書く時の基本(縦画を右寄り)を毎回意識しましょう。旁は3つの部分に分かれていますので、上部の三本の横画は詰めて書きましょう。「貝」の目の部分、小さくなりすぎないように。最後の左右の「ㇵ」もしっかり書いてください。上部を支える大事なパーツです。

【渕】
さんずいが再び出てきますが、この漢字は3つの部分で構成されています。「滴」のさんずいよりスマートにして下さい。書きあがった時に幅広になりすぎないよう気を付けましょう。

最後に・・・
美しい文字を書くためには形だけでなく、「線」にもこだわって下さい。横画、縦画、はらい、ハネ等々、書く文字によって角度、長短が違います。
今回の「積」の旁の3つの横画、同じ横画でも違いがあります。細かいところに気づけるかが重要かと思います。
では、楽しみながら真剣に書きましょう😊

2023年1・2月号筆ペン初級課題アドバイス


皆様、明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

【石】
一画目の横画を始筆、送筆、終筆までしっかりと丁寧に書けるようにしましょう。
一画目と二画目の接し方もよく見てください。
「口」は中心より右寄りに。

【漱シュウ、シュ、ソウ うがい、くちすす(ぐ)、すす(ぐ)】
字典には記載されていない漢字です。横書き初級課題にも三つの部分で組み立てられている「働」が出てきますが、考え方としては同じです。
へんとつくりの二部からなる漢字の場合(今回はわかりやすく「流」がありますね)のさんずいとの違いを考えて下さい。
漢字の整え方の基本を勉強しましょう。
宮澤正明先生の書き方字典をお持ちの方はp7~字形の整え方が書いてありますので定期的に基本を確認することも重要かなと思います。

【流】
先ほどの「漱」とのさんずいの違いを考えて下さい。
最終画の曲がりからのハネ、曲がりが直角にならないよう気を付けて下さい。
ハネの方向も注意です。

【枕】
「木」をひとつで書いた時と、偏になった時の形の変化に気を付けて下さい。
いつも同じ説明ですが、毎回きちんと意識することが重要かと思います。理解はしていても、書けていない事があります。
旁についてもなかなか難しいですが、わかんむりの一画目の方向が内側に向いてしまう方も多いです。外側に向けましょう。
旁の三画目と四画目の接し方、始筆の先を少し三画目の線の中に入れ、スーッと下に筆を運びます。
また、曲がりからのハネがありますので、この機会にたくさん練習してくださいね。

最後に・・・
美しい文字を書く事は簡単ではありません。ですが、同じ目標を持った仲間たちと共に学ぶ事が出来るって本当に幸福な事です。

このホームページが皆様の学びに少しでもお役に立てれば幸いです。



2023年1・2月号よこ書き級位課題アドバイス


【智】
上下に組み合う漢字の形の整え方を考えましょう。
上部の「知」は一つで書く時よりも扁平にしましょう。
「知」の偏と旁に関しては、一つで書く時と同じ考え方で良いと思います。
下部の「日」ですが、左右の縦画を平行に書くのか、下に向かって引き締めるのかの二択になると思います。
私は古典から王羲之、 褚 遂良 を参考にし、下に向かって引き締める表現を選びました。

【働】
三つの部分で組み立てられた漢字の整え方を考えましょう。
まず、「にんべん」ですが、「休」など二つの部分で組み立てられた漢字と比べてどう書くのが良いでしょうか。
同じで良いのでしょうか。
三つの部分で組み立てられている場合、よりスマートにする必要があると思います。
真ん中の「重」も同様で「動」を書く時とほぼ形は同じですが、真ん中に来るということを意識して書いてください。「力」についても同様です。

【角】
三画目ですが、安定感が欲しいので左払いをしない、表現にしました。古典にある表現です。二本の縦画は直線的ではなく、柔らかいイメージでふくよかな形を意識してください。

【立】
行書的な柔らかい表現にしました。二つの横画の線の違い(二画目は上に反る線、五画目は覆う線)を書き分けて下さい。縦画・横画・ハネ・払い等もそれぞれ表現方法は一つだけではありません。色々な表現方法があり、古典から学べます。






2022年11・12月号筆ペン初級課題アドバイス

【志】
 一画目と三画目の横画の長さの違いを書き分ける事、筆ペンでもしっかりした線が書けるよう練習をして下さい。
「心」の一画目の点を打つ時の筆ペンの使い方、二画目やさしく筆を入れ、カーブし始めたら筆を押し付けるように線を太くしていき、一度きちんと止めて、ハネる。
筆ペンの使い方を研究してください。
急いで書かないようにしましょう。

【木】
横画の真ん中に縦画が来ますが、左右のどちらかに寄ってしまう方が多いような気がします。
縦画をまっすぐ書く事は非常に難しい事です。
ガイドラインのあるノートなどでまっすぐ線を引く練習をしましょう。
左右の払いの長さ・角度注意しましょう。

【葉】
安定した横画、余白の取り方が難しい漢字です。
詰めるべきところは詰めないと、縦長になってしまいます。一番長い横画はどこか、長い線はキチンと長くしないとメリハリがなくなってしまいます。

「包」
私が今回一番難しいと感じたのはこの「包」です。
つつみがまえと己の位置づけを考えて下さい。
己の三画目の折れる部分、角ばりすぎないように気を付けて下さい。

最後に・・・
「手本をよく見てください」と私も良く言わせて頂くのですが、よく見るとはどこまでを見る事なのか・・・。
受け取り方は人それぞれですので難しさを感じております。
ただなんとなく形を理解するのではなく、線自体の形、長さ、角度。様々な形、太さの線たちがどう組み合い、安定した形が作られているのか時間をかけてゆっくりと観察してみてください。

2022年11・12月号よこ書き級位課題アドバイス

「半分の存在に気づく」
【半】
1画目と2画目の角度、2画目の短い払いを注意しましょう。
4画目の長い横画を少し覆うような線にしましょう。
最終画の貫く長い縦画が一番の難所かと思いますが、まっすぐ線を引くだけでなく、スッと抜く直前の線を良く見てください。少し太くなっているのがわかると思います。この少しの太さが重要で、これがないと安定感が生まれません。

【分】
1画目の左払い、角度に注意してください。
2画目は、1画目に被さるようなイメージで書き始めてください。
3画目の折れた後のカーブ、内への入り方よく観察してください。角度やカーブの具合が良く書けない場合は写し書きをして手に覚えさせて下さい。
写し書きは練習の時だけにして下さいね。

【存】【在】
1.2.3画目まで同じ漢字です。ですが、その後が違いますので造形の変化を観察してください。
「存」は子の位置づけを見て頂くと、3画目の縦画より下に出ています。
「土」はいかがでしょうか。
そういった所にも目を向けて頂くと良いと思います。

【気】
左払いが続きますね(笑)
2画目3画目の長さ、位置。
4画目の反り、ハネの方向。
最後の「メ」の位置を確認しましょう。
安定させるのが非常に難しい漢字だと思います。

最後に・・・
ボールペンでも始筆・送筆・終筆は表現できます。
力を加えるべきところ、抜くところとメリハリをつけて
書きましょう。




2022年9・10月号筆ペン初級課題アドバイス

【鉄】
 「金」を一つで書いた時と、偏になった時の形の変化について考えましょう。
偏になる漢字は、形をスマートにし、中心を右に寄せ、右端を揃え、右払いは点にし、最終画の横画は右上払いにする。
偏を書く時には必ずこの事に気を付けて書くように心がけてください。
旁の「失」については、一画目の左払いの角度、偏との距離感を考えてください。
四画目の長い左払いも、注意が必要です。どの辺りからカーブをしているのか考えてください。

【熱】
難易度の相当高い漢字です。
私も相当苦労し、泣きながら書きましたが、見ての通り20~30点位の出来栄えです。
上部の左右の組み合わせと、下部のれっかを考えるわけですが、一番の問題はやはり脚部の「れっか」かと思います。この点を打つ時の筆ペンの使い方には練習が必要ですし、放射状に広がる点の向きにも気を付けて頂きたいです。

【打】
手偏の一画目の横画に対して二画目の縦画をどこに持ってくるのか、最初にお話をした偏の書き方を参考に考えて下さい。
旁の丁は横画と縦画の接する位置、接し方をよく見て下さい。

最後に、美しい文字を書くには造形の理論を知り、それを自らの手で紙に表現しなくてはいけません。
頭ではわかっているけれど、書くとなんだか違う・・・。
これは皆さん悩まれる事かと思います。
自らが書いた文字を観察し、どこが手本と違うのか客観的に観察することが大切です。
ひとつひとつ修正をしていくのです。
地道な作業ですが、大切なことです。
私からのアドバイスは以上です。
がんばってくださいね!

2022年9・10月号よこ書き級位課題アドバイス

【蜂】
「虫」が偏になった時はどのような形になるでしょうか。
四画目の縦画の位置に注意してください。
たて書き初級課題に「虫」がありますので、一つで書いた場合との違いが学びやすいと思います。
旁の2本の左払いの長さ、角度の違い。
ボールペンでの右払いの出し方。
三本の横画の長さの違い、余白の均分。
こんな事に気を付けて書いてください。

【巣】
四画目の縦画、五画目の縦画について考えましょう。
縦画が2本出てきた場合には必ず次のことを考えましょう。
二本の縦画は平行なのか | |
二本の縦画は下に引き締まっているのか \ / 
二本の縦画は下に広がっているのか / \
そして左払い、右払いを一対で最大幅にしましょう。

最後に・・・
ボールペンでも強弱はつけられます。
ボールペンも色々な種類がありますが、規定課題におすすめのボールペンなどを「紅香日記」にて紹介します。
興味がありましたら覗いてくださいね。
では、がんばってくださいね!